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「神様と人形のはざまで」後篇。

 阿修羅: 梵語のアスラ(asura)の音写で「生命(asu)を与える(ra)者」とされたり、「非(a)天(sura)」とも解釈さ
 れ、これでは、まったく性格の異なる神となる。

ところで、その阿修羅像と二十年ぶりになる再会を果たすことができました。
その前日、京都にある人形屋ではじめて出会ったのが、この少年像と、どこか面差しの似通った市松人形でした。
昂揚したかのように朱い顔と、きりりと結ばれたその口元が印象的なその童子には、小さな侍といった風情がありました。
門前の小菊が、そのどこか抹香臭い薫りを辺りに漂わせていた、秋も終わりに近づいたある日。
小さな侍が、我が家を訪ねて来ました。
彼を隼人と呼ぶことに決めていました。
いまでは、すっかり我が家の侍従に収まっている隼人ですが、何げなく見たときの彼の顔が、阿修羅像のそれと重なるときがあります。
そんなとき、、、少年神と人形のはざまに置かれて戸惑うことがあるのです。
「神様と人形のはざまで」後篇。_d0004250_21238100.jpg

by viola-mania | 2005-06-18 19:43


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