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白狐。

好きな画家を、ひとり挙げよと問われれば、日本画の巨匠、菱田春草と答えますが、好きな画を、一つ挙げよと問われるなら、迷うことなく、下村観山の『白狐』と答えます。
とはいえ、こんな質問を受けたことは、一度もないので、自問自答? してみました。
ところで、我々が身近に接している動物といえば、犬や猫、はたまたイグアナですが(ナイナイ)、たとえば、犬好きか猫好きかで、そのひとの性質を判断したりすることが、ままあります。
ちなみに、犬好き? 猫好き? と問われれば、一応、猫好きと答えるけれど、とりたてて、猫に偏愛を感じたことはありません。
むしろ、犬でも猫でも、まして、狸などでは決してなく、狐にこころ惹かれるこの頃。
ところで、古く、物語のなかの狐は、妖術を用いてひとをかどわかしたり、実際にも、農家のニワトリなどを屠ることがあって、そのイメージや行動を鑑みると、忌むべき動物であるのかもしれません。
そんな狐について、いつか読んだあるひとの文章のなかに、面白いエピソードがあって、うろおぼえながら記してみると、


 狐は、用心深いケモノであり、画家であるそのひとが、狐の好物をいれた皿を用意し
 て、狐が来るのを待っていると、しばらく、近寄っては去り去っては近寄り、ついに
 食べてくれたということでした。
 それからというもの、毎日、陽が落ちる頃になると、狐は、そのひとのところへやっ
 て来るようになりました。
 狐は、そのひとのこころねに気づいてはいるものの、そのひとの姿を見ると去ってし
 まう。
 とはいえ、こんな画家と狐の交流は、狸の出没によって破られてしまうのでした。
 そのひとは、狐と狸のそれぞれに餌を用意してみるも、狐にそのことを伝えることは
 できない。
 それでも狐は毎日、陽が落ちる頃になるとやって来る。


とそんなことが書かれていました。
ずうずうしい狸とは逆に、狐は、野生の品格をつねに保っていて、誇り高い、けれど、一定の距離をおいて遠くから素知らぬ顔で見守っている人間に対しては、胸襟をひらくのでしょう。
なんとなく親近感を覚えつつ、ひとにもそうありたいと思うこの頃。。。
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by viola-mania | 2007-05-27 07:28

旅想。

 ○月×日、雨のち曇り、僕は誰かを好きと書く、そーれが誰かはわからない♪


確かに、御殿場を過ぎたあたりから、フロントガラスに打ちつけていた、激しい雨は上がり、沼津インターから、宿のある土肥までの道のりは、晴とはいえないまでも、明るい曇り空でした。
したたるような緑のなかを、アッコちゃんの「自転車でおいでよ」を聴きながらゆくドライブは、何だかよい感じ。。。
で、ほどなく、父の運転するクルマは、土肥温泉にはいり、まもなく、宿に到着。
「玉樟園」、、、なかなか、趣きのある宿です。
戦後まもなく建てられた母屋(本館)のある敷地には、いくつかの離れと別館が二棟、それらの建物を、渡り廊下でつないだ、何とも、文人が好みそうな設え。
そんなわけで、エセ文人を気取り、着くなり浴衣に着替えると、大浴場へゆく両親を見送り、夕食までのわずかな時間、暮れなずむ海景を眺めつつ、読書。
畳の上に腹這いになり、脹ら脛をぶらぶら、、、

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母屋(本館)。

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宿から見える海景(AM 5:00)。

そのうち、食事を運んできた仲居さんを、尻目(まさに、ぴったりな譬え)に愛想のない応対。
“文人”というよりは、良家の坊ちゃんといった風情。^^
それにしても、もてなしを受けるというのは、気持ちのよいものです。
思わず、母にまで、「おかわり!!」とご飯茶碗を向けてしまう始末。
で、「お茶!!」、、、

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趣味悪っ!!

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誇らしげ。

そーいえば、部屋のネーミング? で気になったのが、
「千両」、「万両」、そして、「銭の花」、、、
ちなみに、我々の部屋は、「胡蝶」でした。
いかにも、金満家が喜びそーな? ネーミングは、たぶん、宿のある土肥温泉の名勝、「土肥金山」にちなんでのものなのかもね。
そんなわけで、両親のあとを、騙しだまし? 金山への洞窟を辿ってみることに、、、
わお!! ハダカの男のひとだらけ♪
といって、採掘の模様を再現した、電動人形なんだけどね。
で、「坑内めぐり」を終え、「黄金館」、そして、土産物コーナーと廻り、その出口で、「記念メダル」(自販)に自分の名前をいれて、来館の記念としてみました。
↑バカでしょ。^^
でも、なんか、こーいうのって、小学生の遠足のときとかに、やった覚えない!?
“自分の名前”をいれるという行為が、ヘンな自尊心を煽っちゃったりとか、、、
「おい!! 早く、行くぞ!!」
と父に叫ばれたときは、思わず、アセっ!!
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by viola-mania | 2007-05-20 07:58

星印。

サイト「ヴィオラ☆マニア」が、先頃、3000ヒットを達成しました。
開設、二年目にしては少ないと思われるフシもありますが、日頃、ご愛顧いただいている方々、顔もわからぬ貴方!! 感謝しています。^^
さてさて、「ヴィオラ」と「マニア」をつなぐ☆印、この図象で思い出すのが、愛用のスニカー、つまり、「コンバース・オールスター」というわけです。
給料が出るごと、一足ずつ買い足しているスニカーは、でも、消耗品だけに、コンバース・マニアといった領域にはほど遠い、単なる愛用者。
とはいえ、やはり、その起源は気になるものです。
コンバース・オールスターが生まれたマサチューセッツ州は、バスケットボール発祥の地でもありました。
そんなわけで、このスニーカーが、バスケットボールを意識してつくられたものかというと、そのあたりは、創始者である、モーリス・M・コンバースの推察の域を出ないのです。
ただ、一ついえることは、このオールスターを履いて、競技に臨んだ、チャック(チャールズ・H・テイラー)の宣伝効果は、テキメン、1918年のことでした。
いまでいう「何ちゃらモデル」というもののハシリだね。
とはいえ、その後、チャックと提携を結んだ、コンバースは、彼のアドバイスにより、機能的なバスケットボールシューズとして、オールスターを世界に発信、その名を知らしめるまでになったのです。
そんな起源を、少し掘り起こしてみただけで、「定番」というものの驚異? を感じずにはいられません。
まあ、☆はその太古より、我々の指標であり、憧れであるといったトコロに、その図象を掲げることの心理が、たたまれているのでしょう。
さて、☆を踝(くるぶし)に、或いは、呼称に掲げ、地歩を踏みしめてゆくとしますか。。。
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by viola-mania | 2007-05-13 06:50

瑕瑾。

トイレに立つと、洗面所の窓から、草いきれが漂いました。
「風が冷たくなってきたわね」
と隣の家の奥さんが、草取りをしていたご主人に、そう促す声が聞こえます。
ふと、この場所で、ドライヤーを使ったときに思い出した情事の一端が浮び、ついで、そのことを知らない、隣の家の夫婦に、ごく罪のない、でも、秘密の欠点を持っていることに対する、自らの瑕瑾(かきん)を恥ずかしく感じました。
とはいえ、ものの影が多ければ多いほど、そこに、佇むそのものがもっともらしく見えるの道理で、こんな瑕瑾(かきん)が、自らに、与えている陰翳を、でも、隣の家の夫婦に、鼓舞したいと思う気持ちも、その半面であるのです。
だから、というわけではないけれど、隣の家の夫婦が、幸せそうに見えるのは、きっと、彼らに、この瑕瑾(かきん)というものが欠けているがためなのでしょう。
陰翳を生まない平明な幸せより、どこか、形而上学的な陰翳をもった、こんな、高曇りの休日を、何より幸せに感じています。


 一生に一度の負を知らしめしその片顔をおもひゐたりき   妙子
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by viola-mania | 2007-05-06 07:44