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謝謝!!

HP「ヴィオラ☆マニア」開設の準備を始めて、あしたで、一年になります。
「茎」ページにて日誌をつづり始めたのは、3月のこと。
それから、ほぼ毎日更新し続けていた雑記も、11月より、“つれづれ日誌”となり、いまにいたっています;
そんななか、「茎」ページをご覧いただけた皆さまには、たいへん感謝、、、謝謝!!

佳いお年をお迎えください。。。
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by viola-mania | 2005-12-31 14:18

稚児簪(ちごかんざし)。

 買手きまらぬ庭園の隅 贅肉のごとき白ダリアを放置せり   邦雄

空は泥濘(でいねい)のように昏(くら)い。
この季節にしては、暖か過ぎる風が、羽織った外套(コート)の裾を翻(ひるがえ)して吹き抜けた。
しかし、足許は、空の昏さにおよばぬ春泥で、見渡す辺りは一面の雪景色。
桜(はな)の蕾が綻(ほころ)びかけていたのを、庭先に眺め出て来たのは、つい半日ほど前のこと。
この土地に、春日(しゅんじつ)が臨めるようになるまで、あと、ひと月ほどはかかるだろう。
私は、戦災を免れたかつての城下町に、ひとりの人物を訪ねた。
とはいえ、そのひとはすでに亡く、Mと名乗るその植物博士が、所有していた邸宅を査定するべく、季節を遡行してきたというわけだ。
M博士は、もと家老の血筋を引く家の出らしく、その邸宅も広大なものであると、聞きおよんではいたが、……
私が見たものは、形骸を思わせる廃屋、否、その骨組みすらも残されていない、廃園だった。
M博士は、その生前、“ダリア”の新種をつぎつぎと作出し、“オーキッド・コラレット”と呼ばれた、珍奇な花型のそれを発表した。
おばこかんざし
と名づけられた、そのダリアは、花名のごとく、少女の挿した簪(かんざし)を思わせる、風情を漂わせていたのを、私は、この邸宅を訪れる事前、M博士に関する資料のなかにあった、何かの記事に見聞していた。
しかし、私は、“おばこ”というこの土地のことばの意味に、M博士の後ろ暗い嗜好を嗅ぎ取ってもいた。
つまり、“おばこ”には、“稚児”という意味も含まれている。
ダリアといえば、大きな花型のそれしか知らない私にとっては、むしろ、廃園を蔽(おお)う、贅肉のような雪の白さこそ、群生するその花の風情をあわらしている気がするのだ。

                                                   畢
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by viola-mania | 2005-12-30 12:16

忍冬。

 初夏(はつなつ)の夕風に忍冬(にんどう)が甘く匂った。
 我々は、着ているものを忙しなく脱ぐと、その辧(はな)のごとく鏡合わせに、からだを重ねた。
 しかし、この思いの丈を述べることは死んでもないだろう。
 やがて、辧(はな)は爛(ただ)れ、そして、落ちた。
 冬の朝風に忍冬(にんどう)が甘く匂った。
 しかし、それは、冬ざれの庭に、初夏(はつなつ)の頃と変わらぬ葉がくれた、つかの間の幻に過ぎない。
 「忍冬(にんどう)という名の謂れを知っているか? 冬の寒さをも忍ぶ葉をさしていうのだそうだ」
 冬、忍ぶ恋。

                                       拙作「忍冬(にんどう)」より

 今ぞ知るここだ有りける心とは忍ぶものから人の恋しき   季経

忍冬:すいかずら、初夏、芳香のある白色または、淡紅色の花を咲かせる。
   葉が冬でもしぼまないのでその名がある。

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by viola-mania | 2005-12-18 14:49

美男葛。

 核葛(さねかずら)のちも逢はむと夢のみに祈誓(うけひ)わたりて年は経につつ   万葉集 作者不詳

実葛:実(さね)が美しいつる植物(かずら)、茎の粘液を男性の整髪剤にしたところから、美男葛(びなんかずら)の別  
   名がある。
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by viola-mania | 2005-12-06 14:52