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月光領の住人。

 加藤まさをの、クリスマスの夜、とか駅へ行く馬車、といつた少女の友か何かの口絵がいまなほ少年の或は少女の
 日への衝動を駆るのだ。
 少女の日と今自分はいつた。正しく我が少年時代は少女の心をもつた「男」の生き難い歴史であつた。

                              中井英夫「中井英夫戦中日記 彼方より<完全版>」

月齢24.2
冥(くら)い夜空のどこにも、月、見えません。。。
月の見えない夜、枕辺に置いた電燈のもと、陰鬱な美青年の日記なぞ、ひそやかに繙(ひもと)いてみることにしましょう。
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by viola-mania | 2005-06-30 21:47

展覧会情報 2。

「ツキノカンバセ」

浅野勝美 銅版画展

2005年6月28日(火)〜7月6日(水)

12:00〜19:00/日曜休廊

ぎゃらりぃ朋

中央区銀座1-5-1

*毎回、素晴らしい作品を見せてくださる浅野勝美さん、、、このたびは、新たなるモデルくんを迎えて、真骨頂を見せてくださいます。
*浅野勝美さん、毎日、15:00より在廊されています。
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by viola-mania | 2005-06-29 15:11

展覧会情報 1。

「妖しい森の牧神たち」

甲 秀樹 個展

2005年6月25日(土曜)〜7月5日(火)

13:00〜19:00/水曜休廊

美蕾樹

渋谷区宇田川町17-1

*「玻璃」、「はなかみきり」(「花」ページ参照)の挿画を描いてくださっている、甲秀樹さんの新境地をご堪能ください。
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by viola-mania | 2005-06-29 15:10

銀砂子。

小村雪岱の装丁による、日本画家、鏑木清方のはじめての随筆集です。
撫でたくなるなるような、可愛さです。
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by viola-mania | 2005-06-29 15:08

ルナ−ル、なーるほど。

最近、読んだ、ルナ−ルの文章のなかに、

 「空」のほうが「青い空」よりも雄弁である。形容語は枯葉のように、ひとりでに落ちる。

とありまして、目から鱗の思いです。
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by viola-mania | 2005-06-28 10:24

不滅の少女。

 おさないアリス。年齢もいかないこの子を、ドジスン教授に身のほど知らずの求婚を決意させるほどの美女たらし
 めていたものは、もしかすると、より多く教授の主観の側にあったのではなかろうか。

                                         矢川澄子「不滅の少女」
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by viola-mania | 2005-06-27 22:03

花とアリス。

テレビで、「花とアリス」をみました。
友情のこと、少女のこと、少年のこと、、、
少し考えました。
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by viola-mania | 2005-06-25 13:58

ざくろの花。

 梅雨の晴間を散歩して嬉しいのは、築地のかげに、また長屋の低い屋根越しに、所在にざくろの花を見ることであ 
 る。木は節くれだち、どこか古風だが、葉は小形でいさゝか光沢があり、雨上りにほどよく光る。その緑葉の間に
 朱点を打つ花はまさに可憐清楚だが、雨に打たれたくらゐでは散らぬ健気さももつている。やがて実となる堅い咢
 そのものが花の一部で、紅巾と異名される花弁をしつかりと守つてゐるのだ。ざくろは私の最も愛する花である。

                                         桑原武夫「ざくろの花」

日本叢書四十八として、生活社から昭和21年に刊行されたこの叢書のなかには、堀口大學や室生犀星の名前も確認できます。
粗末な紙を用いて30頁ほどに綴じられた、この叢書というより冊子には、そこはかとなく漂う匂いと佇まいがありました。
物資に乏しい時代とて、贅沢な心遣りではないでしょうか。
ほっこりとした感じが好もしい一冊です。
朱(あか)い総(ふさ)のようなザクロの花、いまが季節です。
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by viola-mania | 2005-06-24 19:40

浜木綿の蕾。

白金色した夏の砂浜にこそ相応しい、ハマユウが、我が家の庭で、4年越しに開花しようとしています。
苛烈な夏の陽が沈み、蒼い月が、暑かった日中のほとぼりを覚まし始める頃となっても、気丈に咲き続けている白い花顔(かんばせ)。
その芳香は、蒼い月光(つきかげ)を鱗翅に纏(まと)わせて舞う、夜の蝶を誘(おび)きます。
ハマユウは、蛾を介して、その生を、芳香とともに存らえているのです。
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by viola-mania | 2005-06-23 20:15

紫貝。

 まことにはかない色であつた。然しあの鴨跖草の、空の碧のしたたつたやうな冴え冴えとした青を、衣にうつした
 いといふ願ひの切実さは、紫貝の血を搾つて紫衣をつくらせたカエサルの心奢りの比ではない。

                                        塚本邦雄「紺青のわかれ」

昨年の夏、浜で拾った貝の内側は、紫色に染まっていました。
そのとき、ふと、この一節が思い浮かびました。
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by viola-mania | 2005-06-22 23:05