カテゴリ:雑感( 45 )

邂逅。

「まだ書いているんですか?」
「うん、僕もちょうど、それを聞こうと思ってたところ」
とは、ほんじつ、某所の仕事場で、7年ぶりになる邂逅を果たした、カメアタマくんとのひとコマ。
あ、べつに“カメアタマ”といって、たんに、カレの苗字が、その呼び名を誘発するだけのことで、特に含みはないのであしからず、、、
で、オイラより一つ年少になる、カメアタマくんとは、7年前に某社の食堂で、夕食を一緒に摂ったとき、
「じつは、小説を書いていて、本人も彼女も絶賛しているんですけれど、KO時代、文芸部の先輩からこてんこてんにやられたことがトラウマになって、その後、自分が小説を書いているということは、誰にもいえなかったんですけど、何となく、イシカワさんにならいってもいいかなって思って、、、」
といった、カメアタマくんの思いも寄らない吐露に、その交流は端を発しているというわけです。
ちなみに、“KO時代”というのは、カメアタマくんが、「慶○義塾大学哲学科倫理科専攻」に在籍していたころを指し、いまとなっては、我が社において、「地獄」とあざなされている現場の準チーフといったポストについていて、その学歴とは何ら関係のない業務に携わり、年齢給以上の年収を稼ぎ出しているといったカレは、にもかかわらず、青年のままの屈託のなさを、7年前と同じ笑顔のうちに見せてくれました。
そんな彼の、「まだ書いているんですか?」
という質問に、
「うん、書いてるよ、、、自慢じゃないけど。でも、こんな現況のなかで書き続けているって、我ながら、やっぱり、自慢したいかも(笑)」
「そーですよね。でも、僕はやめちゃいましたけど、、、」
そんなカメアタマくんの返答を聞きながら、何ら生産性のない文学に、でも、オイラ自身が毒されていることの優越を感じました。
カメアタマくんよりキャリアを持つオイラが、カレの捨ててしまったものに固執し、かつ、いまだ、仕事の面でカレに敬われていることの嬉しさに、、、
「文学」をやっていて、はじめて占有権を得られたような、そんな、カメアタマくんとの邂逅でした。
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by viola-mania | 2008-04-06 00:18 | 雑感

寿歌。

ネクタイを締めるために、15分の猶予をみておきました。
とはいえ、10年来にもなるこんな所作を、指先はしっかり覚えているから不思議です。
ワイドスプレッドのシャツに選んだそれは赤。
ともだちの晴の日は、また、オイラにとっても祝祭の日というわけです。
白いタキシード姿であらわれた彼は、きょうも輝いていました。
その印象は、彼とはじめて出逢った日から変わることがありません。
だから、正視に耐えない視線は、彼の眼差しを外れると、それ以外の部分を、
「白髪、増えたね」
などと揶揄してしまうのでしょう。
自意識とは、意地悪なものです。
とはいえ、披露宴に参列した、彼の数多いともだちたちのなかで、こんなことを考えているのは、たぶん、オイラくらいなものでしょう。
でも、彼の前でなら赦されると思っています。
こんなともだちが、ひとりくらいいたっていいよね、、、
彼の多才は、さまざまな種類の表現者を誘致します。
わけても、ドラッグ・クイーンによる披露宴の進行は、目にも愉しいものでした。
その間も、回り続けるターン・テーブル。
どこか、耳に馴染む選曲は、彼と共通のともだちによるもの。
「ええと、きいちくん!!」
といわれたとき、そのひとと犯した悪戯の数々が思い出されて愉快でした。
みんな変わっていません。
変わったことといえば、彼が父親になったということくらいでしょうか。
そして、彼の父親が、披露宴の最後にうたった「あかとんぼ」こそ、一番の寿ぎの歌だと思いました。

 あかとんぼ あかとんぼ はねをとったら とうがらし

*画像、赤いネクタイが高校生? のよう。
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by viola-mania | 2008-03-09 18:39 | 雑感

結実。

年々、花を多くつけるようになった白梅の一枝を、小庭から剪ってくると、普段使いのコップに挿し、テレビボードの上に置きました。
いつか、挿花家の川瀬敏郎さんが、部屋に花を活けると、そこに生き物の気配が感じられて安心する、といったようなことを何かの文章に書いていて、なるほど、差水さえ怠らなければ、根や幹から切り離されたその命も、しばらくは生ながらえることができるのだと、いまさらのように納得したことがありました。
或いは、余命が迫っているからこそ、そこに強い気配を漂わせるのかもしれませんね。
さて、先月の始めに着手した作品も、その第一章を書き終え、ようやく、話の転結へと運んでくれる、エピソードのいくつかを見い出すことができました。
とはいえ、その結末は未定。。。
そんななか、何かの符合のように、作品に着手しているあいだは、いつも近くに、この“生き物の気配”が、芳い香を漂わせていました。
いまはまだ、冬ざれた小庭が、春の花に彩られる頃には、着手の作品も、その結実を見ることでしょう。
秋を俟たずして見る結実は、でも、秋薔薇の開花へと結ぶ、胚珠ともなるのです。。。
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by viola-mania | 2008-03-02 11:45 | 雑感

空想。

机上でしたためた想い、或いは、たんに用件を記しただけの文(ふみ)であっても、封緘をして、切手を貼り、ポストに投函すれば、それを宛てられたひとの手許、もしくは、こころに届くというのが、手紙の効用であり、はたまた、任務でもあるのですが、いまのように、インターネットやそれが手紙であっても、海の向こうに住むひとへの私信が、まだ、難儀を要していたころは、やっぱ、船便だったのかしら?
などと、たまたま、インターネットで見つけて買った、およそ、100年近くも前のエアメール・セットを手にしたとき、ふと、そんなことを考えました。
ところで、エアメールを届けるのに、必要不可欠な飛行機がつくられたのは、このエアメール・セットが、フランスのどこかの店で売られていた、何十年か前のこと。
「空中飛行を一言にして云えば、吾々の此(こ)の平面の世界を立体にまで拡張せんとするの努力である」とイナガキタルホは、新文明の先駆的存在としての飛行機に、そんな一家言を吐いているけれど、このことは、飛行機とともに空を飛び、それを宛てられたひとの手許、もしくは、こころに届けられる、手紙にもいえることではないでしょうか。
とはいえ、100年近くも前のエアメール・セットを手にしたところで、どうしよう、、、
黄色く焼けた便箋を眺めながら、途方に暮れています。
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by viola-mania | 2008-02-17 19:40 | 雑感

実実。

さて、イベント(コミティア83)当日。
前日の天気予報で危ぶまれていた降雪も、良い方にその予報がはずれ、定刻通り到着したバスと電車とを乗り継ぎ、難なく会場いりを果たしたものの、
「はて、ブース・ナンバー、何だったけ!?」
と本気で失念。
浅い記憶を頼りに、席次を辿るも、すでに、陣取られていたそのブースに、我ながら、モウロクしたものよのお〜、とひとりごつ。
結局、持参の「参加登録カード」に記した、ブース・ナンバーをあらため、ようやく、出店ブースに辿りつけたといった、段取りの悪さ。
お手伝いにはいってくれた、イラストレーター、櫂まことさんには、でも、浅い記憶を頼りに辿った席次を、会場してすぐにもらった櫂さんからのテルにてご報告。
誤ったブース・ナンバーを探していた櫂さんとは、でも、難なく落ち合うことができたという、何とも皮肉なオチがついて、このたびのイベントも、開幕の拍手とともにスタートです。
で、正午までの一時間のうちに、耽美文藝誌『薔薇窗』最新刊と、これも新刊の『白鳥記(はくてうき)』が一部ずつ売れ、良い兆しを見せたものの、その後、いくにんものひとたちに、立ち止まって手にしてもらった割に、お買い上げまでにはいたりませんでした。
とはいえ、手にしてもらっただけでも、当サイト「ヴィオラ☆マニア」のURLを記した案内状を、手渡せる良いきっかけにはなりました。
また、櫂さんがお手伝いにはいってくれたおかげで、いつもより、ゆっくり他のサークルを廻ることができ、それとの商品の比較から、もともと、書店やサイトでの販売に主眼をおいて展開しているといった都合上、「書肆菫礼荘の本」の価格は、どこか、このイベントでの適正価格? をオーバーしたものであると再認識。
そんななか、イベント用に供した、いわゆる「蛇腹本」も、しょせんは、つけ焼き刃に過ぎないのかも!? と、このことを悲観。
郷に入りては郷に従え、、、
そんなわけで、次回のイベントでは、“郷に従”いつつも、書物であることの尊厳? を失わない、チープなのにゴーカな刊行物? を予定しています。
そんなこんなで、このたびのイベント、実いりは少なかったものの、実り多き一日となりました。

*画像、お隣席のかたからいただいた、手づくりケーキ。
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by viola-mania | 2008-02-10 21:39 | 雑感