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青天。

空の青さに誘われ、山辺の道をふもとまで歩いてみました。
駅へと向かう道すがら、立ち寄った、八幡様の宝物館(鎌倉国宝館)で、先日、贔屓の古書肆のご主人と、仏像談義を交わしていた折、話に出た、「天神様」の掛け軸を観ました。
天神様といえば、学問の神様で知られている、菅原道真が神格化したものですが、その天神様を祀った、荏柄天神に伝わる文書には、道真が天神となるまでの経緯が記されていて、“「天神様」の掛け軸”とともに、展示されていました。
鬼のような形相をした、或いは、そうならざるを得なかった、道真の怒りが、ひしと伝わってくるような一幅に、おおきさのうえでも圧倒。
また、他の展示物のなかでも、円応寺に伝わる「人頭杖」や八幡宮に伝わる「夭懸地杏葉螺鈿太刀(いかけじぎょうようらでんたち)」などが目を惹き、わけても、仏日庵方丈の本尊である「地蔵菩薩座像」の、端正な面立ちと均衡のとれた姿に、しばし、陶然。
ひとわり館内を巡ったあと、ふたたび対峙した“地蔵さん”の、薄くひらいた眼差しが、何かを報せていました。
帰途、桜並木の参道に映じた影の紋を踏みながら、わかったことがありました。
たぶん、それが、“報せ”というものなのでしょう。
青天。_d0004250_2335030.jpg

by viola-mania | 2006-10-09 00:01


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