人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「菫礼荘という書肆の名のこと」前篇。

先日、鉱物の展示即売会で、“菫青石”とラベルが貼られた石を見つけました。
「スミレアオイシ」とは読まずに、「キンセイセキ」と読むのだそうです。そして、この石は、眺める角度から色を変える、“アレクサンドライト”と同種のものであるということが、後日わかりました。
ケースに納められていたその石を、いろいろな角度から眺めることはできませんでしたが、一見、鮮やかな紫色をしたその石は、琴線に触れました。というより、単に、紫色をしたものになら何でも反応してしまうのかも知れません。
近くの浜辺で見つけた、貝殻の裏の濃紫。春先になると、我が家の庭に咲き出すスミレ草の薄紫。そして、菫夫(スミヲ)と名づけた、市松人形の滅紫の髪。
いまの住まい暮らし始めて間もない頃、ひとりの童子が、我が家を訪ねて来ました。

                                                  つづく
「菫礼荘という書肆の名のこと」前篇。_d0004250_20214040.jpg

by viola-mania | 2005-07-02 20:01


<< 「菫礼荘という書肆の名のこと」後篇。 禁書。 >>