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紫貝。

 まことにはかない色であつた。然しあの鴨跖草の、空の碧のしたたつたやうな冴え冴えとした青を、衣にうつした
 いといふ願ひの切実さは、紫貝の血を搾つて紫衣をつくらせたカエサルの心奢りの比ではない。

                                        塚本邦雄「紺青のわかれ」

昨年の夏、浜で拾った貝の内側は、紫色に染まっていました。
そのとき、ふと、この一節が思い浮かびました。
紫貝。_d0004250_14301252.jpg

by viola-mania | 2005-06-22 23:05


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